Moses Maimonides 著『The Guide For The…
Moses Maimonides 著『The Guide For The Perplexed』を読んでいる。解説、Introduction と読んで、Part I の 33章まで読んだ。私は自分が馬鹿だとはわかっているつもりだったが、そう指摘されてムッとしてしまう。
JRF 2016年6月24日
最近、Patai著『The Hebrew Goddess』([cocolog:85220789])、グッドイナフ著『アレクサンドリアのフィロン入門』([cocolog:85339613])とユダヤ教に関心が向き出して、ずっと前に買って読んでなかったこの本を引っ張り出してきた。
JRF 2016年6月24日
英文。著者は、ユダヤ教のラビで 1135年から1204年を生きた人。"The Guide for the Perplexed" は、元はヘブライ文字でアラビア語で書かれた本。
JRF 2016年6月24日
『The Guide For The Perplexed』(Moses Maimonides 著, M. Fredla:nder 訳, Dover, 1956年)
https://www.amazon.co.jp/dp/0486203514
https://www.amazon.com/dp/0486203514
この本は、1904年に出た版から注などを取り除いた上で、一冊にまとめ上げて 1956年に出た版らしい。
JRF 2016年6月24日
《モーシェ・ベン=マイモーン - Wikipedia》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%B3
JRF 2016年6月24日
>
哲学書『迷える人々の為の導き』は、信仰を失った哲学者たちに呼びかけた著作で、その目的は、アリストテレスとユダヤ教神学とを宥和させることにあった。トーラーの聖句に隠された意味についてアリストテレス派と、ファーラービーやイブン・スィーナーらアラブ哲学者の見解を用いて読み解こうと試み、ユダヤ教神学を合理的に解釈した。
JRF 2016年6月24日
(…)
アリストテレスは月下の世界に関する権威だが、啓示というものは天上の世界に関する権威である、と彼はいう。しかし神に関する知識において哲学と啓示とは合一するのであり、真理の追求は宗教的な義務であるという。イスラム世界では物議をかもし、保守的な思想を持つユダヤ人の一派はモーシェの哲学書を焼却した。その思想はあまりに合理的すぎると批判もされたが、聖書の哲学的解釈の先駆けとして後世に影響を与えた。
JRF 2016年6月24日
(…)
後に『迷える人々の為の導き』はラテン語に訳され、アルベルトゥス・マグヌス、トマス・アクィナス、エックハルトらのキリスト教神学者達から高い評価を受ける。
<
JRF 2016年6月24日
日本語訳はどうもまだないようす。↓があったが…。
《Guide for the Perplexed 迷える者への道案内 日本語訳》
http://l4cs.jpn.org/unko/mayoeru.html
これははじめの二ページだけしか翻訳されていない。でも、ここしかない訳(Mutakallemim が「イスラム学者」)があって助かった。
JRF 2016年6月24日
……。
本はマイモニデスの紹介からはじまり各 Part の解説があるのだが、その解説を読んで、つまづきまくった。
JRF 2016年6月24日
神の存在(Existence)、無実体(Incorporeality, 無・実体ね), 唯一性(Unity)の証明とか、第一原因(the Primal Cause)とか、出てくるんだが、それが哲学で導けるというのからして私は眉唾に思えてしまう。
JRF 2016年6月24日
まず、無限と有限に関する論証…有限のものに無限のものを含め得ないみたいな論証は納得できない。アキレスと亀(参:[cocolog:85237794])の例でわかるように、有限の中に無限は観測しうる。それは時間の無限と空間の無限が違うということではない。アキレスと亀の例はどちらも時間軸上のことで、観測の仕方の違いが差を生んでいる。
JRF 2016年6月24日
次に、無からの創造(creatio ex nihilo)の論理も納得できない。私は「過去の創造」はありうると考える。が、どうも「無からの創造」説は過去を創造することをありえないとする論考のように思う。「過去を創造する」前の「過去」というのを考えないといけないのかもしれないが、そこは臨界現象の方向のあいまいさ、「未来を作ったとき過去ができていた」ということがあると思う。この考えは、時空間的に見ると circular に似ているかもしれないが、必ずしも円環的ということで考えなくてもいいと思う。
JRF 2016年6月24日
そういう臨界現象が一度起こったあとは、複数の臨界現象の結果が集まったりした上で、またさらに過去が創造されたりしていく…とか私は考えていいと思う。それは間違いなんだろうか?
JRF 2016年6月24日
神の無実体も納得できない。人格神なんだから実体があってもいいじゃないか。今実体が現れるように見えないのは、そう見えないよう(過去もあわせて)再創造されたのかもしれない。「臨界現象」がまず人のような神をいきなり生んだかもしれない。それで何が悪い。…と考えてしまう。
JRF 2016年6月24日
マイモニデスにとっては、字義通り神に実体があるように解釈する者は、幼稚に見えたのかもしれないが、西洋哲学が広まった現代からすると、何でも超越神的に「意訳」で解釈するのは安直に思える。超越神的在り方に神を制限しているようにも見える。もっと身体的意味を活かさないといけないのではないか。キリスト教は実体を認めがちだから、ユダヤ教の護教的意味をこめて、論証できる以上に無実体に傾斜して考えているのではないかと疑う。イスラム教でムゥタジラ派が結局、アシュアリー派に道を譲ったのもこのあたりの議論からではないかと想った。
JRF 2016年6月24日
唯一性はあとから獲得されたもののようであっていいじゃないか。進化論的歴史があったあとに創造神による創造的歴史があったように時間が計算できる、そう科学的現実がなっているというのは、唯一神のある意味、告白なのかもしれない。唯一神はそのような顕現を好まれるのではないか。創世記で「我々」と話す唯一神は、認識の上で最初は複数であったかもしれない。それを否定するのは神の在り方をやはり制限しているのだと思う。
JRF 2016年6月24日
別に、私の考えが絶対というつもりはもちろんないが、マイモニデスの考え方と同じく否定できないもの、その可能性を留保すべきものと私は考える。
JRF 2016年6月24日
……。
少しだけ抜き書きする。
JRF 2016年6月24日
……。
イスラム教は、ジズヤ(人頭税)を取ったが、ユダヤ教やキリスト教に寛容だった…みたいな歴史認識をどこかで読んだ気がするが、「寛容」ではなかった例があるようだ。
JRF 2016年6月24日
>In the year 4902(…1142…) the armies of Ibn Tamurt made their appearance. (…) 'I do not desire to argue with you' said the king; ' for I know you will argue according to your own religion. It is my absolute will that you either adopt my religion or be put to death.'
JRF 2016年6月24日
(…)
The Jews then proposes to emigrate, but the king would not allow his subjects to serve another king.
<(解説, p.xvii)
JRF 2016年6月24日
上の Wikipedia から引用する。
>(…コルドバ出身のマイモニデスは…)ムワッヒド朝によるユダヤ教とキリスト教徒への迫害・虐殺を避けるためイスラームに偽装改宗するが、それでも危険と判断しアルメリア地方へ移住。<
JRF 2016年6月24日
……。
マイモニデス以前のユダヤ人哲学者は、聖書の「メタファー」を "the Law speaks in the language of man" という原則の元であしらってきた。マイモニデスは Onkelos the Proselyte の解釈を援用しつつ、新たな地平を拓く。
JRF 2016年6月24日
>Maimonides, therefore, did not content himself with the vague and general rule, "The Law speaks in the language of man," but sought carefully to define the meaning of each term when applied to God and to identify it with some transcendental and metaphysical term.<(解説, p.xli)
JRF 2016年6月24日
ただ、私はその「意訳」が超越神的過ぎて、行き過ぎがあるように思った。
JRF 2016年6月24日
……。
マイモニデスはとにかくすごい自信だ。
JRF 2016年6月24日
>The reader must, moreover, beware of raising objections to any of my statements, because it is very probable that he may understand my words to mean the exact opposite to what I intended to say.
JRF 2016年6月24日
(…)
He will injure me, while I endeavoured to benefit him. "He will requite me evil for good."
<(Introduction, p.9)
JRF 2016年6月24日
ここは Introduction だが、解説にも似たようなことが書いていた。納得できないならお前が悪いという態度…まぁ、人を教える側がそれぐらい自信を持っていたほうが、付いていきやすいということはあるのかもしれないが…。
JRF 2016年6月24日
……。
創世記の最初、エデンの園において、↓で>「善悪の知識」のないものに対して、神は命令している<と私が論難したところについてマイモニデスはちゃんと言及している。
《『創世記』ひろい読み - 知識の実》
http://jrf.cocolog-nifty.com/religion/2006/02/___cfef.html
JRF 2016年6月24日
反逆の罰を通して理性を持つようになったという見解に対してマイモニデスは異を唱える。命令の前に知性はあった。
JRF 2016年6月24日
>With reference to this gift the Bible states that "man was created in the form and likeness of God."
JRF 2016年6月24日
(…)
On account of this gift of intellect man was addressed by God, and received His commandments, as it is said: "And the Load God commanded Adam"(Gen. 2:16) -- for no commandments are given to the brute creation or to those who devoid of understanding.
<(I-II, p.15)
JRF 2016年6月24日
私の上の記事とは少し解釈が違うようだ。
JRF 2016年6月24日
……。
Patai著『The Hebrew Goddess』を読んだ([cocolog:85220789])とき、カインがサタンの子とされているのに驚いたが、マイモニデスもだいたいそのように考えていたようだ。
JRF 2016年6月24日
>Those sons of Adam who were born before that time were not human in the true sense of the word, they had not "the form of man."
JRF 2016年6月24日
(…)
With reference to Seth who had been instructed, enlightened and brought to human perfection, it could rightly be said, " he (Adam) begat a son in his likeness, in his form."
<(I-VII, p. 20)
JRF 2016年6月24日
……。
改宗者のオンケロス(Onkelos the Proselyte)は、無実体という信条に沿った意訳を行なった。"I will go down now and see"(Gen. 18:4) を "I will manifest myself now and see." といったふうに。その唯一の例外が、"I will go down with thee into Egypt"(Gen. 66:4) で、それは神がヤコブに語る場面である。あくまでもヤコブに語ったことなので、実際に行われたことではないのでいいのだという説明がある。
JRF 2016年6月24日
気にするほどのことかと私は思うが、それ以外、無実体的に解釈できたというのだから、それは驚くべきことなのだろう。
JRF 2016年6月24日
……。
マイモニデスは無実体を信じない者を「挑発」しているようにさえ見える。
JRF 2016年6月24日
>The primary object of every intelligent person must be to deny the corporeality of God, and to believe that all those perceptions (described in the above passage) were of a spiritual not of a material character. Note this and consider it well.<(I-XXVIII, p.38)
JRF 2016年6月24日
こんな感じのが、まだまだある。
JRF 2016年6月24日
……。
……。
英語、はっきり言ってちゃんと読めてないです。それで私が誤解している部分は当然あると思う。それに加えて内容が(私にとっては)難しい。「私は馬鹿だなぁ」と痛感する。
JRF 2016年6月24日
はっきり言って気がめいる。聖書ですら読む意味を見失っていた(参:[cocolog:84974434])のに、ユダヤ教の細かい部分を読んでいって何か役に立つとかありえない。もう読むのやめちゃおうかとか考えたりもする。「無実体」の証明は Part II になるようなので、そこまでは読んでみたいけど、Part I はまだまだ続きさらに複雑になりそうなので力尽きてしまうかも…。
JRF 2016年6月24日
力尽きるかもしれないから、Part I を読んでる途中だけど、いちおう備忘のために「ひとこと」しておいた。
JRF 2016年6月24日
typo 「Fredl」→「Friedl」。
JRF 2016年6月24日
……。
……。
追記。
目次。
Moses Maimonides 著『The Guide For The Perplexed』を読んでいる。
JRF 2016年7月17日
《解説、Introduction と読んで、Part I の 33章まで読んだ。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/06/moses.html
《Part I の終りまで読んだ。属性論、縁起論、カラームについて。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/07/moses.html
JRF 2016年7月17日
《Part II の終りまで読んだ。アリストテレスの議論について。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/07/moses-1.html
《Part III の終りまで読んだ。読み終った。神義論、ヨブ記に関してなど。》
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JRF 2016年7月17日
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Rabbi Avrohom Davis 訳『Kitzur Shulchan Aruch』を読んでいる。三巻セットのうち第I巻を読んだ。生活に関する英語が勉強になる。
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Moses Maimonides 著『The Guide For The Perplexed』を読んでいる。Part III の終りまで読んだ。読み終った。神義論、ヨブ記に関してなど。
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Moses Maimonides 著『The Guide For The Perplexed』を読んでいる。Part I の終りまで読んだ。属性論、縁起論、カラームについて。
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レヴィナス『諸国民の時に』を読んだが、難しくて理解できなかった。哲学者はこれを読み下しているのだな。尊敬する。期待して読んだ「タルムード読解」は、他の章に比べてわかりやすかったが、得るところは少なかった。...
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