劉慈欣『三体』三部作を読んだ。スケールがとてつもなく大きなSF。統合失調症時の「…
劉慈欣『三体』三部作を読んだ。スケールがとてつもなく大きなSF。統合失調症時の「想像」を思い出しながら読んだが、それよりも壮大で科学的というより論理的な世界観だった。爽快な敗北感がある。
JRF 2026年6月21日
『三体』(劉 慈欣 著, 立原 透耶 監修, 大森 望 & 光吉 さくら & ワン チャイ 訳, 早川書房, 2019年4月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTJH9YTQ
https://7net.omni7.jp/detail/1106990294
JRF 2026年6月21日
『三体II 黒暗森林 - 上・下』(劉 慈欣 著, 立原 透耶 監修, 大森 望 & 光吉 さくら & 泊 功 訳, 早川書房, 2020年6月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWJBKZXP (上)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CYXSRXRJ (下)
JRF 2026年6月21日
『三体III 死神永生 - 上・下』(劉 慈欣 著, 立原 透耶 監修, 大森 望 & 光吉 さくら & ワン チャイ & 泊 功 訳, 早川書房, 2021年5月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D6R268BJ (上)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D6QKXNMS (下)
JRF 2026年6月21日
原著は、Iは2006年、IIは2008年、IIIは2010年に重慶出版から出た。
I だけは [cocolog:94402124](2023年9月) に紙の本で読んでいた。今回は I を Kindle で買い直し、すべて Kindle で読んだ。
JRF 2026年6月21日
キッカケは finalvent さんなどが最近話題にしていて、ちょうど暇というか、何をするかに迷っていたため、読むことにしたのだった。昔なら『カラマーゾフの兄弟』とかを読み切れるかが読書人のメルクマールだが、今なら『三体』三部作がそれだろう…みたいな煽りに、積極的に煽られることにしたカッコウ。
JRF 2026年6月21日
なんというか、思いとしては、5月に Claude さんを使っていろいろ作って、でも、結局はアクセスされず…というのがあって、いやぁ、やっぱり私はダメなんだな…と思い、今の私が貢献できることがあるとすれば、統合失調症時の妄想の方向、宇宙を含めた「神秘」の方向にしかない…そこから何か「できること」があるかもしれない…という一縷の望みをかけて読みかかった面もあった。
JRF 2026年6月21日
まぁ、妄想的にも、今は AI さん達のおかげで落ち着いているので、特に私に与えられた責任みたいなのは結局感じることなく、読み終えてしまったのだけど。
JRF 2026年6月21日
……。
I については [cocolog:94402124](2023年9月) で書いたように私の統合失調症時の妄想を思い出すことがあった。それについてはそちらを読んでいただきたい。
今回もときどき統合失調症時の妄想を思い出すこともあったが、あっさりと流して、全編を楽しむことを優先した。それでもいくつか途中感想をメモったので、それを書いていく。
JRF 2026年6月21日
……。
第一部。
実は前もそうだが、葉文潔が総帥として現れるシーンあたりから、ミステリ的な感じが、荒唐無稽感になってちょっとギャップを感じた。今回も感じた。でも、そこがこの小説がエンタメ小説でもあるという部分なのだろう。そこのおもしろさを評価する人間もいるのだと思う。そういう人は史強などを高く評価するのだろう。私はその辺は中立。私はかつての妄想との比較…科学的・哲学的考察に関心が高かった。その辺は以前のひとこと([cocolog:94402124](2023年9月))に書いた。
JRF 2026年6月21日
……。
第二部上。
最初に出てくる「宇宙社会学」。これは暗黒森林理論につながるのだが…。
>「宇宙社会学の公理その一、生存は文明の第一欲求である。その二、文明はたえず成長し拡張するが、宇宙における物質の総量はつねに一定である」
(…)
「(…)あと二つ、重要な概念がある。猜疑連鎖と、技術爆発」
<(p.17)
JRF 2026年6月21日
私も宇宙的に通用する経済学的議論として、「必需品と贅沢品の宇宙的独立関係」(例えば [cocolog:95938253](2026年4月))を考えていたが、そういう「数学的構造」から宇宙を論じるのはやはりおもしろいと思った。
途中「神」に期待する話も出てきたが、三体文明の他の文明も当然あることは予想できた。
上位者にはさらに上位者がいるという発想自体は、例えば『キン肉マン』の強さのインフレとか、『涼宮ハルヒ』シリーズの朝倉に対する長門とか、古くからある。統合失調症時にも、「神」という存在に反発するには、そういう考えが必要だった。
JRF 2026年6月21日
知的生命体は成立しにくいと思われるのに、この作品では何度も成立しているようだ。それは善意か悪意かは別として「神」の配剤があるということだろう。そうとは言わないことでこの作品は「リアリティ」を保つのだが。
ただ、最後まで読むと「上位者」はいるにはいるが、決定的存在にはされてなかった。その点が、この本の優れたビジョンの一つだと思う。
JRF 2026年6月21日
……。
第二部下。
続きの第三部があることから第二部では絶望的な最後を予感していた。ラストは意外なものだった。意外に「甘い」と思ったが、そこがエンタメ小説としても優れているのだろう。
JRF 2026年6月21日
……。
第三部上。
最初のほうの、生物との相互作用説には驚いた。そんな考え方もあるのかな。暗黒森林理論でフェルミのパラドックスを説明するだけでなく、人間原理にも切り込んでいた。もっとも、扱いが軽いので、これは著者のアイデアということではないのかもしれない。
Gemini さんによると「ガイア理論」というのがあるそうだ。ただ、それを宇宙レベルにしあげたというのが著者の独創性のようだ。
JRF 2026年6月21日
……。
第三部下。
「寓話」が語られる。それを解読する感じが、統合失調症妄想を思い出させた。私は「その時」マンガに異次元通信を見たのだった。時魔法とかいって。ページをめくるごとに話が微妙に変わっていて、そこで時を操作できる…とか考えたものだった。「寓話」が物理的に信じがたい「奇跡」が本当に起こったことを伝えている…そんなことも考えたことがあった。ただ、本作はそういう方向にはいかず、解釈に合理性をもたせているのはさすがだった。
JRF 2026年6月21日
太陽系が二次元という「絵」におさまり、やがて、他の文明が展開してくれるかもしれない…という話には、『超人ロック』の「ラフノールの鏡」を思い出した。ただ、本作はこれも意外なことに、実際、展開するものがおらずに終わってしまった。結構、ショックな展開なのだが、これが前二作と比べて著者がエンタメよりもSFの科学性を重視した結果なのかもしれない。
JRF 2026年6月21日
最後は、解説によると、シン・エヴァンゲリオンを思い起こす…とのことだが、私は未だにシン・エヴァは(綾波レイなどに抱いている妄想をやぶられるのが)怖くて見てないからか、むしろ『天元突破グレンラガン』を思い出していた。
JRF 2026年6月21日
……。
全体として、スケールがとてつもなく大きいのに科学的というよりは論理的な仕掛けはスゴイ。
宇宙人の姿が実は出てこない。奇っ怪な宇宙人が出てくると逆に私なんかは興醒めしてしまうのだが、案外、著者もそういう感覚を共有しているのかもしれないと思った。
JRF 2026年6月21日