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吉村昭『少女架刑』を読んだ。1950年代の死にまつわる短篇小説集。時代の勢いの中…

jrf> 吉村昭『少女架刑』を読んだ。1950年代の死にまつわる短篇小説集。時代の勢いの中で取り残されている「貧困」者は死に近くある。作者の、死への倒錯的な憧れが読み取れる。

『少女架刑 - 吉村昭自選初期短篇集I』(吉村 昭 著, 中公文庫, 2021年4月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B093GWZJM5
https://7net.omni7.jp/detail/1106921976

1952年から1960年の間に発表された自選の作品集。『吉村昭自選作品集』(新潮社, 1990年)を二つに分けて文庫化したものの一方。紙の文庫は2018年10月に出ている。上は Kindle 版。

最近の熊騒動で作者の『羆嵐』が話題となり、それから『少女架刑』を読んだ人(Dollhouse Noahさん↓)がいて、その評判を読んで読んでみようと思った。私は『theHunter: CotW』という狩猟ゲームが好きで熊撃ちの興味があるのだが、刺激的らしい『羆嵐』 にはあまり興味を抱かず、こちらには興味を持った。

《Dollhouse Noah:X:2025-12-31》  
https://x.com/cybele_n/status/2006348218561671484

1950年代の貧しくも平和な時代の死にまつわる物語。時代の勢いの中、死はやや軽くしかしやはり印象的で、作者はそこに倒錯的に性欲的美を配置している。ネクロフィリアとは少し違うようだが、死に魅了された視点がある。

時代の勢いの中には当然取り残された人々がいて、その貧しさと死は近い。『となりのトトロ』などもそうだったが、結核が大きな影を作っている。作者も結核だったらしく「肺結核の療養生活を終えて学習院大学に入っ」たという自己紹介が巻末エッセイにあった。

表題作は、夜職の16歳の少女が死んで、その霊なのか死んだその少女の視点で、医療的死体解剖で自分が人形のように各部が切り離されるさまなどが見つめられる。夜職であったがヒーメンがあったことが明かされる。