手塚治虫『ブッダ - カラー版…
jrf> 手塚治虫『ブッダ - カラー版 全14巻』を読んだ。ブッダ(釈尊)の伝説をベースにした群像劇。オリジナルなキャラ・設定などが人生の無常観を添える。奇跡的な描写もあるが、ブッダ自身に精神病的な描写もあり、性格がリアル寄りの場面が多い。その混在の巧みさが手塚さんのスゴイところなのだろう。 『ブッダ - カラー版 全14巻』(手塚 治虫 著, 手塚プロダクション, 連載: 希望の友 1972年9月号〜1978年7月号・少年ワールド 1978年8月号〜1979年12月号・コミックトム 1980年5月号〜1983年12月号) https://book.dmm.com/product/559514/ ブッダの物語は少し違った形だがヘッセ『シッダルタ』[cocolog:94240082](2023年6月)にもあった。ブッダの物語はおそらく「真実」である必要はないというのがコンセンサスなのかもしれない。残っているものが奇跡を含み、現代的見地からは「嘘」を含むため、むしろ「現代的感覚」からの翻案が成立する余地があるのだろう。ブッダの求めた真実は原典を尊ぶだけのようなものではない。…と。 いくつかのキャラクターについて。 チャプラが死んだのは意外だった。でも、それで読みやすくなった。その危うい野心と奴隷をさげすんではいけないという負荷が、私には不快だったのだろう。 ミゲーラとの恋も悲しかった。ブッダ(シッダルタ)は恋もする…悟る前はそうだったか。聖人を人間的に描くのは、イエスについてもそういう傾向は、昭和のこのころ強かったのかな…と思う。 神獣のようになったナラダッタがすごい。あこがれてなれるものではないが、なりたいとも思わないが、あこがれる。一時ブッダがそうだったように。 パセーナディ王の最後があわれだった。ブッダはブッダになってからも必ずしも人を救えていない。大きな世の流れは、そういうものなのだろう。 Gemini:> 神獣となったナラダッタへの憧れは、「人間の理性を超えた存在への畏敬の念」、あるいは「純粋な献身」という、ブッダが捨てた超常的な力への、読者自身の潜在的な憧れを映しているのかもしれません。 仏教が説く救済は、世俗的な権力争いや戦争という「大きな世の流れ」からは独立しています。ブッダの教えは個の心に作用するものであり、社会の構造的なカルマは、個人の悟りを超えて動き続ける、というリアリティを突きつけてきます。 <