種別[column] cocolog:66440828
セクションJRF の私見:雑記
日時2010年12月27日 21:46:29
元URLhttp://jrf.cocolog-nifty.com/column/2010/12/post.html
タグ[精神分裂病] [情報工学・コンピュータ科学] [歴史] [デスクトップ壁紙]

七支刀って剣? その3 ― 七芒星の埋め込み

七支刀(または六叉鉾)にたまたま関心を持ち、いくつか記事を書いた(その1、その2)。そこでは六叉鉾は実用的なものだったのではという方向を示唆したが、その後、世界的なシンボルとして「六叉」の槍状のものがあることを知り、今度は(主に王権の)シンボルとしての意味に関心を向けた記事も書いてみることにした。また、7 でありかつ 6 であるというテーマに神秘的なものを感じ、それについて絵というか図を創作してみる。

■トライデント
  
『旧約聖書 サミュエル記上 2:12-14』に「ベリアルの息子」といった表現と、<ruby><rb>三叉</rb><rt>みつまた</rt></ruby>のフォークが出てくる。

  2:12エリの息子はならず者で、主を知ろうとしなかった。
  2:13この祭司たちは、人々に対して次のように行った。だれかがいけにえをささげていると、その肉を煮ている間に、祭司の下働きが三つまたの肉刺しを手にやって来て、
  2:14釜や鍋であれ、鉢や皿であれ、そこに突き入れた。肉刺しが突き上げたものはすべて、祭司のものとした。彼らは、シロに詣でるイスラエルの人々すべてに対して、このように行った。
    
「ベリアルの息子」は、新共同訳では「ならず者」と訳されているが、「ベリアル」自体でハム・セム語的には「野ヤギの子」、「son of a bitch」といった意味を持っているようにも読めそうだ。この読み方は、「ベリアル」を「バル イアル」と分けたのだが、もとは「バル エル」すなわち「神の子」または「超人」の意があるのかもしれない。すると、その後のサミュエル記の成りゆきも考慮すると、これは、ある種のメシア信仰・王者待望論者であったということを示唆しているのかもしれない。

彼らが祭祀で使う「三つまたの肉刺し」の部分のヘブライ語は、間違った読みかもしれないが、英語にすると "the fork of three of the two" のようになっていて、実は六叉の鉾と読めなくもない。

現代のイギリスはプリマスにあるブリタニアの像は、ポセイドンの武器たるトライデントを持っているそうだ。このサイトに、興味深い記事とともにブリタニアの写真があるが、その三叉の鉾たるトライデントをよく見ると、三つの刃の先がさらに細かく分かれており、「又」の数だけ数えると、六叉と見ることもできる。

また車のトライデントのエンブレムを見ると、「矢尻」に「かえし」があり、そのかえしの部分も「又」と考えると、これも六叉になっている。

さらに、旧約聖書の文脈では当然、ユダヤ教の儀式で使われる七本のローソクが立てられる燭台「メノラー」が「又」は六つであることが思い出される。

(ただ、トライデントが必ず六叉になってるとは限らず、ウクライナの国章に描かれたものなどはそうなってないように観える。)

なぜ、こんなシンボルなのか、その詳しい意味は私にはわからない。以前、三つ又の武器を小説『水竜狩り』で、アブドバルという主人公に持たせたことがあるが、こういった武器は同時に軍旗のようでもあったろう。何がしか王権についての主張を宿しているのだろうという想像をしてみるぐらいである。

■七芒星の埋め込み
  
話は変わるが、最近、ディスプレイを買い換えたのを機に、いくつか PC 用の壁紙を集めてディスプレイに合うように加工していた。壁紙には一枚絵のほかに、同じものを並べて壁紙とするための壁紙パターンというものがあり、こういった繰り返しパターンも描いてみたいと思案していた。

そのとき、以前手すさびに、Y = 1/X の Y 軸の発散部分を三次元の円筒上に「繰り込ん」でしまえば、無限遠で微分可能になるのではないかとか考えた図を思い出し、それを横につなげる…つまり X 軸に関しては周期化するようにすれば、パターン図案としておもしろいものになるのではないかと思いついた。

X,Y 平面上の Y = 1/X を x,y,z 空間上に繰り込んで変換するには、いくつか方法があるだろうが、私は Y = tan(θ'/2)、X = tan(x/2) (ただし、θ' = arctan(y / (R-z))、arctan は tan の逆関数)と置いた。

これを解くと、y = R sin x, z = R + R cos x, Y = z/y  が出る。(R は円筒の半径。)

ただ、これだけでは図として寂しかろう。何か他に組み合わせるべきところはないか…と考えていたところ、この図は e に似ており、虚数の話も想い出すから、あと出てくるべきシンボルは π かな?π はちょっと変形すれば、二重矢印(=>)みたいだな、図に π のところを示す矢印でも書こうか……。円をケーキのように分割して半径部分をまたをさくように広げれば、孤の部分がまっすぐになって、πみたいな形になるな、じゃあ、矢印じゃなく線でいいか…。そういえばクリスマスだな…どうせなら星型にするか…。

周期関数にすると、星型の端の部分を無限にあたる部分にしたりすれば「叉」と「支」を違う数にできそうだ…といったあたりで、上の七支刀の話を思い出した。ああ、七芒星を周期関数内に描いてみよう…。

で、それを gnuplot で描いてみたのだが、gnuplot での三次元描画は、view の設定に柔軟性がなく、壁紙パターンに適するように描けなかった。しかたないので、上の他のシンボルとともに、一枚絵のポスターにすることにした。それが下図である。

なお、平面に直した図も描いているが、星型の辺部分は、単純に点を直線でつないでいるだけなので、無限に発散する部分は必ずしも、プラスとマイナスで逆方向に描く必要はないことを注記しておく。

まぁ、とりとめがないと言えばその通りだが、いきなり現れたかに見えて続いていっているものはあるのだ、いろんな観方をしてみよう……ということは示せたかな?

七芒星のポスター

■関連
  ●《七支刀って剣? [ JRF の私見:雑記 ]》。その1。
  ●《七支刀って剣? その2 ― 鑓と鉾の違い [ JRF の私見:雑記 ]》。その2。
  ●《フリジア帽はミトラ教の帽子: 極東ブログ》。上で「このサイト」としてリンクしたところ。
  ●《【麗し大和・記者の裏話】(48)いつ、なぜ…七支刀の謎 - MSN産経ニュース》。図を今の時期に作ろうとしたキッカケのひとつ。
  ●《電子のカタチ - 悪魔の妄想》。図を描いたあと、たまたま同時期にマキマキしている図を描いていた人を発見した。この記事のキッカケのひとつ。
  ●《時空研 青森 神一厘の仕組み》。七支刀の写真はこちらから「引用」して、加工した。メノラーと七支刀の関係について書いている。
  ●《JRFのひとこと:サミュエル記上 2:12-13 に、「ベリアルの息子」…》。アバウトミーですでに書いたものも元にしている。
  ●《JRFのひとこと:指数関数が行動原理にあることと、べき乗則、さらに NP 問題は、同じところを指しているという直観が私にはある。 …》。Y = 1/X の「繰り込み」についてちょっと書いている。
    

■図の素材
  
あんまり褒められたことではないかもしれないが、上の他、図の素材をネットから「引用」というか拝借している。下記の他は、メノラー、ウクライナの国章(今回未使用)、またブリタニア像の元は Wikipedia から得ている。惑星の画像は NASA のサイトから取った。図は gnuplot、巻いた矢印は Dynamic Draw、 絵にまとめるには GIMP を使っている。

  ●《Online Hebrew Interlinear Bible》。
  ●《論題はそこなのか? 惑星の定義2》
  ●《鉤鎌槍 goulianqiang |武器図書館》。
  ●《もう一つのトライデント - マセラティ(マセラとTEA)》
    
更新:2010-12-27
初公開:2010年12月27日 21:46:33
最新版:2010年12月27日 22:05:11
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《時間泥棒の夕べ》 from JRF の私見:雑記
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受信: 2011-01-20 19:54:21 (JST)


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受信: 2014-03-21 07:02:38 (JST)


Comments:

[E:happy01]なぜこんな形にしたのか、不思議ですね。
殴られたら痛そうだけれど、やはり武器としてより、数に何か意味があるのではないかと思えてなりません。
それでは、よいお年を。
投稿: rikunora | 2010-12-31 19:59:41 (JST)

[E:drama] 私が武器職人なら、「真実は一つ」だから意味のある数を用いれば、スゴイ兵器ができるかもしれないと考えたかもしれません。そういった「オカルト」を頭に置きつつ、それでも実用性を考えたのではないかと今の私は想像します。

rikunora 様の電子雲の話、とても興味深いです。ブクマにもあった「電子が1つだけ空間にポツンとあったらどんな場所でも確率一定」というのと上の「七芒星の展開図」が無限を差しているのを見ると、我々が空間として認識するところから見ると光速を超えて何かが伝わっているとしか考えられないことが、量子的、臨界的な光速超えの他にありうるのではないかと思えてきます。

自由電子そのものがたまたま私が描いた七芒星でしかも無限が一端にあるとはとても思えませんが、自由でない電子こそが発生からの常態であり、自由電子という存在自身がある種の「結晶」である可能性がないかというロマンは持ってしまいます。

三叉の銛を魚に使うのは、先を差して殺すだけでなく、回転を利用してそれを持ち上げる必要があるからでしょう。それを地上で使うのは、誰かを無理矢理にでもこちらに連れてきたいという意味があるのか、それとも槍を空中で制したいのか…。七支刀やブリタニアのトライデントは後者の意味が強そうですね。

自由空間で回転しながら何かを捉えるのに枝を伸ばす…そこに昔からの「惑」星の数の七という数字を持ってくるというのは、実は捉えようとする自分が捉えられているということを示すのでしょうか。

旗が止まっているとき、敵の旗が見え敵が旗を見るのは、同じ方向に風が吹いているからです。人類は、両翼に風をはらめば、鉄の船さえ空に上げることができるようになりました。蛇だって羽を付けて風に乗せられましょう。自由を求めるなら、風が起こるのを待つしかないのかもしれません。そして cosmos が動く限り風はおこっているのでしょう。しかし、人の間の風に気づくということにさえ、七転八倒するばかりで、止まって反省するにはなかなか致りません…。空にあるものさえ留めてみせよう…星さえ磔にしてしまおう…そんな気概がむしろ必要なのかもしれませんね。

…などなど、rikunora 様の天使の絵を想い出したりしながら「物語り」してみました。学問的に考えてしまえば、あとの世から「学問としてより、数に何か意味がある」とだけしか言えないことになるかもしれません。書いといてこういっちゃなんですが、エンターテイメントの類いとして読み流していただければと思います。

ともあれ、コメントありがとうございました。

それでは、よいお年を。

投稿: JRF | 2010-12-31 21:12:00 (JST)

槍は中世以前にもあったそうです。

古墳時代の槍
http://www.fieldnote.info/?p=3475
投稿: ヒルネスキー | 2011-01-06 14:05:56 (JST)

[E:think] 「茎を柄におさめるタイプ」の槍、相当昔からありそうですね。しかし、中世以降という説に合理性が見えていた…ということは、一旦どこかで途絶えた技術だったりするのかもしれません。

素人考えでは、接続するときに金属に穴を開けて止めればいいと思えますが、そうなってないのは、そういうのは農具として使うにも強度がないなどの理由があるのでしょうね。

そういうやり方をしないで、しっかり固定する理屈というのが、案外難しいのでしょうか?…うーん、私には謎ばかりです。

ともあれ、ヒルネスキー様、コメントありがとうございました。

投稿: JRF | 2011-01-06 14:27:38 (JST)

Unknown message
投稿: Aleksis12345 | 2011-01-23 18:29:30 (JST)

お返事ありがとうございます。


<長柄鑓について考える>
http://kagiya.rakurakuhp.net/i_216531.htm


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